「願いこそが祈りである。そしてその願いが絶えないならば、あなたの祈りもまた絶えない。あなたの憧れの持続こそが、祈りの持続である」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”The desire is thy prayers; and if thy desire is without ceasing, thy prayer will also be without ceasing. The continuance of your longing is the continuance of your prayer.”

日本語訳

「願いこそが祈りである。そしてその願いが絶えないならば、あなたの祈りもまた絶えない。あなたの憧れの持続こそが、祈りの持続である」

解説

この言葉はアウグスティヌスの『詩篇注解』に由来し、祈りを単なる言葉ではなく、心の深い欲求や憧れの継続として捉える彼の神学をよく示している。祈りは形式的な発話にとどまらず、魂の中で神を求め続ける欲望そのものが祈りであるというのが彼の立場であった。

当時、多くの信徒は祈りを時間や形式に縛られた行為と考えていた。これに対してアウグスティヌスは、神への憧れや渇望が持続している限り、人は祈り続けていると説き、祈りを日常生活の中で絶えず生きるものとして捉え直した。この視点は、祈りをより普遍的かつ内面的な営みとする点で革新的であった。

現代においても、この言葉は強い意義を持つ。形式的な儀式や定型句に縛られず、心に抱く願いそのものを祈りと見ることで、日々の生活が祈りの継続となる。夢や希望を持ち続けることが、そのまま祈りの実践になるというアウグスティヌスの洞察は、宗教的実践に限らず、人間の精神生活全般に普遍的な示唆を与えている。

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