「聖霊よ、豊かに我が心に降りたまえ。この忘れられた住まいの暗き隅々を照らし、そこにあなたの喜ばしき光を散りばめたまえ」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”O Holy Spirit, descend plentifully into my heart. Enlighten the dark corners of this neglected dwelling and scatter there Thy cheerful beams.”

日本語訳

「聖霊よ、豊かに我が心に降りたまえ。この忘れられた住まいの暗き隅々を照らし、そこにあなたの喜ばしき光を散りばめたまえ」

解説

この言葉は、神の霊の臨在を心に求める祈りであり、魂の浄化と啓示を願う深い霊的渇望を示している。アウグスティヌスは、自身の内面を「忘れられた住まい」や「暗い隅」として表現し、そこに聖霊の光が差し込むことによって、初めて人は真理と善へと導かれると考えた。自己の限界を認め、神の助けを待ち望む謙虚な姿勢が、ここにはある。

この祈りには、人間の魂は放っておけば堕落し、暗くなり、神の光なくしては整わないという認識がある。それゆえ、聖霊の降臨とは単なる象徴ではなく、魂を住まいとして整え直す神の愛の働きであり、信仰者の生き方に直接かかわる現実的な出来事である。光が暗闇を追い払うように、神の霊が罪と無知を取り除くという比喩は、キリスト教的霊性の中核にある。

現代においても、心の中にある「暗く放置された領域」—無関心、罪、恐れ—を意識し、それを神の力によって照らすことの大切さは変わらない。この名言は、信仰の再生や精神の刷新を願う者すべてに向けた祈りのことばであり、内的変革への一歩として神の光を求める姿勢が、今なお深い共感を呼ぶ。

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