「愛せよ、そして好きなことをせよ」

- 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
- ローマ帝国(現アルジェリア)出身
- 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父
英文
”Love, and do what you like.”
日本語訳
「愛せよ、そして好きなことをせよ」
解説
この言葉は一見して誤解を招きやすいが、アウグスティヌスの倫理観と神学的愛(アガペー)に基づいて理解する必要がある。ここでの「好きなことをせよ」とは無制限の自由を意味するのではなく、真の愛に基づいた行為であればそれは必ず善であるという信念を示している。愛が行為の根本にあれば、その行為は自然と正しいものとなるという信条が表れている。
アウグスティヌスにとって、愛とは神への愛であり、隣人への無私の愛である。このような愛は、自己中心的な欲望や衝動とは一線を画し、魂の秩序を保ち、徳に導く原動力となる。したがって、「愛せよ」とはまず自らの心を整え、他者を神の目で見るよう努力せよという命令である。その結果としての「好きなこと」は、もはや神の意志と一致した行動に他ならない。
現代においてもこの言葉は、行為の前提として内なる動機と愛の質を問う警句として有効である。単に結果や形式ではなく、動機に愛があるかどうかを基準とせよというこの言葉は、道徳的判断の核となる視点を私たちに与えている。すなわち、愛があれば行動は正しく、愛がなければどんな善行も空虚であるという普遍的な真理が、ここに凝縮されている。
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