「偉大になりたいのか。では、まず存在することから始めよ。広大で高くそびえる建物を築きたいのか。まずは謙虚という基礎について考えよ。構造が高くなるほど、その基礎はより深くならねばならない」

- 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
- ローマ帝国(現アルジェリア)出身
- 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父
英文
”Do you wish to be great? Then begin by being. Do you desire to construct a vast and lofty fabric? Think first about the foundations of humility. The higher your structure is to be, the deeper must be its foundation.”
日本語訳
「偉大になりたいのか。では、まず存在することから始めよ。広大で高くそびえる建物を築きたいのか。まずは謙虚という基礎について考えよ。構造が高くなるほど、その基礎はより深くならねばならない」
解説
この言葉はアウグスティヌスの説教に由来する思想を反映している。彼はしばしば、謙虚さを偉大さの基盤とする逆説的真理を強調した。人間が神に近づき、徳や栄光を得ようとするなら、まず自己を低くしなければならない。高慢は堕落を招き、謙虚さは成長を可能にするというのが彼の教えであった。
背景には、バベルの塔の物語を意識した文脈もある。人間が自力で高みを目指そうとした塔は崩壊したが、謙虚さに根差した営みだけが真に堅固で永続的であるとアウグスティヌスは説いた。建物の高さが基礎の深さに依存するように、精神的・道徳的な成長もまた謙虚さに依存するという比喩は、非常に鮮明である。
現代においても、この言葉は強い実践的意義を持つ。個人の成功や社会的な成長を目指す際、表面的な成果だけを追うのではなく、謙虚さという土台を築くことが不可欠である。組織や国家においても同様に、持続的な発展には深い基盤が必要であるという教えは、普遍的な真理として今なお生きている。
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