「悪い交わりは杭に打ち込まれた釘のようなものである。最初の一打ち、二打ちなら容易に抜くことができるが、一度頭まで深く打ち込まれてしまえば、もはやペンチではつかめず、木を壊すことでしか抜くことはできない」

アウグスティヌス(画像はイメージです)
アウグスティヌス(画像はイメージです)
  • 354年11月13日~430年8月28日(75歳没)
  • ローマ帝国(現アルジェリア)出身
  • 神学者、哲学者、キリスト教教父、ラテン教父

英文

”Bad company is like a nail driven into a post, which, after the first and second blow, may be drawn out with little difficulty; but being once driven up to the head, the pincers cannot take hold to draw it out, but which can only be done by the destruction of the wood.”

日本語訳

「悪い交わりは杭に打ち込まれた釘のようなものである。最初の一打ち、二打ちなら容易に抜くことができるが、一度頭まで深く打ち込まれてしまえば、もはやペンチではつかめず、木を壊すことでしか抜くことはできない」

解説

この言葉は、悪い交わりや習慣が初期の段階では比較的容易に断ち切れるが、深く根付いてしまうと破滅的な代償を払わなければ断てなくなるという教訓を示している。アウグスティヌスの時代には都市生活や異教の風習など、人々を徳から遠ざける誘惑が多く存在していた。そこで彼は、小さな段階での選択が将来の方向性を決定することを強調したのである。

現代社会においても、この比喩は有効である。悪習や不健全な人間関係、依存的な生活習慣などは、始まりのうちは簡単に修正可能である。しかし、長期的に続けてしまうと精神的にも肉体的にも深く根を張り、取り除くには大きな犠牲が伴う。初期の対応が最も重要であるという警告は、日常の選択や人間関係の構築に直結する。

さらにこの言葉は、教育や社会の在り方にも適用できる。若者が悪い影響を受ける前に正しい環境を整えることは、後から矯正するよりも遥かに容易である。悪は放置すれば深く浸透するが、早期に断つことで健全な成長が可能となるという普遍的な真理を、この比喩は鮮明に伝えている。

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