「他の人を優先して、自分は二の次にするという、すてきな昔ながらの考え方です。私はその価値観で育てられました。他人のほうが大切なのだから、『ごちゃごちゃ言わないで、さあやるのよ』というわけです」

- 1929年5月4日~1993年1月20日
- ベルギー出身
- 女優、人道活動家、ファッションアイコン
- 『ローマの休日』でアカデミー主演女優賞を受賞し、その気品ある美しさと演技で世界的な人気を博した。晩年はユニセフ親善大使として世界各地の子どもたちを支援し、映画界と人道活動の両面で深い影響を残した。
英文
“It’s that wonderful old-fashioned idea that others come first and you come second. This was the whole ethic by which I was brought up. Others matter more than you do, so ‘don’t fuss, dear; get on with it.'”
日本語訳
「他の人を優先して、自分は二の次にするという、すてきな昔ながらの考え方です。私はその価値観で育てられました。他人のほうが大切なのだから、『ごちゃごちゃ言わないで、さあやるのよ』というわけです」
解説
この名言は、利己主義ではなく利他主義を人生の指針とする価値観を称えるものであり、オードリー・ヘプバーンが育った家庭環境や倫理観を率直に語っている。「他の人を優先する」「自分は二の次」という一見控えめな姿勢には、謙虚さと責任感、そして思いやりの精神が深く根づいている。特に「don’t fuss, dear; get on with it(騒がないで、やりなさい)」という表現には、甘えや自己憐憫を排して行動する強さがにじむ。
この考え方は、ヘプバーンの公私にわたる姿勢にも反映されていた。映画界での成功にもかかわらず彼女は決して傲慢にならず、晩年のユニセフ活動においては、常に困難な状況にある他者を優先し、寄り添い続けた。この名言には、名声よりも人としての品格を重んじる生き方が示されている。
現代においては、自己肯定や自己実現が重視される一方で、「他人を思いやる」という古風な価値観が見過ごされがちである。この言葉は、そうした時代の流れに一石を投じるように、人との関係性の中でこそ本当の人間性が育まれるという真理を教えてくれる。謙虚さと行動力を伴った優しさこそが、品格ある生き方の土台であると語る名言である。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?