「人々が地球を星々の中に浮かぶ小さな一つの球体として真に認識したとき、極端な形のナショナリズムが長く生き延びるとは考えにくい」

以下はアーサー・C・クラークの情報です。
- 1917年12月16日~2008年3月19日
- イギリス出身
- 作家、未来学者、発明家
『2001年宇宙の旅』をはじめとする数々のSF作品で知られ、科学的リアリズムと想像力に富んだ世界観を築いた。人工衛星通信の概念を提唱するなど科学技術にも貢献し、20世紀のサイエンスフィクションと未来思想を象徴する存在となった。
英文
“It is not easy to see how the more extreme forms of nationalism can long survive when men have seen the Earth in its true perspective as a single small globe against the stars.”
日本語訳
「人々が地球を星々の中に浮かぶ小さな一つの球体として真に認識したとき、極端な形のナショナリズムが長く生き延びるとは考えにくい」
解説
この言葉は、宇宙から見た地球の姿が人間の意識に与える変革を説いている。クラークは、国境や民族の違いを強調する極端なナショナリズムが、宇宙規模の視野を持った人類にはもはや説得力を失うと考えた。地球を外から眺めると、国境は存在せず、人類が一つであることが直感的に理解できるのである。
この発想は、アポロ計画による宇宙からの地球写真(「ブルー・マーブル」)がもたらした意識の変化とも深く関係している。地球が小さく美しい存在であり、同時に壊れやすいという認識は、環境保護運動や国際協調の機運を生み出すきっかけとなった。クラークはこの視点を通して、狭隘な国家意識から脱却し、普遍的人類意識への進化を訴えたのである。
現代でも、気候変動や宇宙探査の進展により、地球の一体性を実感する機会は増している。しかし同時に、排外主義やナショナリズムが再燃する場面も見られる。この名言は、視野を広げる努力と教育の重要性を改めて示しており、地球規模の課題に立ち向かうためには、個々の国家利益を超えた連帯が不可欠であることを教えている。
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