「プラトンは私にとって大切だが、それ以上に真理はさらに大切である」

- 紀元前384年~紀元前322年
- 古代ギリシャのマケドニア出身
- 哲学者、科学者、学園「リュケイオン」設立者
英文
“Plato is dear to me, but dearer still is truth.”
日本語訳
「プラトンは私にとって大切だが、それ以上に真理はさらに大切である」
解説
この名言は、アリストテレスが師プラトンへの敬意を表しつつも、哲学者としての知的誠実さを優先する姿勢を示した象徴的な言葉である。アリストテレスは長年にわたりプラトンの学園アカデメイアで学び、多大な影響を受けたが、イデア論などの核心的教義に対しては理論的批判を加える立場を取った。この言葉は、そうした姿勢の根拠を倫理的に明確にするものである。
ここに表れているのは、個人的忠誠と普遍的真理とのあいだの優先順位である。アリストテレスにとって、真理の探求は哲学の最高の目的であり、それを妨げるものがたとえ恩師であったとしても、理性の命じるままに批判し、思索を深めるべきだとされた。この態度は、知的独立性と誠実さの理想像を描いている。
現代においても、組織や人間関係の中で真理より忠誠が優先される状況は多い。しかしこの名言は、真理に忠実であることこそが最も高い敬意の表れであり、また健全な学問と対話の基盤であるということを強く示している。アリストテレスのこの言葉は、思索の自由と責任を担う者にとって永遠の指針である。
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