「敬虔の念は、友人よりも真理を尊ぶことを私たちに求める」

アリストテレスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
アリストテレスの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 紀元前384年~紀元前322年
  • 古代ギリシャのマケドニア出身
  • 哲学者、科学者、学園「リュケイオン」設立者

英文

“Piety requires us to honor truth above our friends.”

日本語訳

「敬虔の念は、友人よりも真理を尊ぶことを私たちに求める」

解説

この名言は、アリストテレスの知的誠実さと倫理的優先順位を端的に示したものである。彼は哲学における探究の目的を「真理の追求」と定義しており、たとえそれが個人的な関係、とりわけ敬愛する師や友人との意見の相違を意味するとしても、真理を優先すべきだという立場を明確にした。この言葉は、彼が恩師プラトンのイデア論を批判する際にその姿勢を正当化するために用いたものでもある。

ここで言う「敬虔(piety)」とは、神に対する信仰心というよりも、理性と真理そのものに対する深い尊敬と忠誠を意味している。人間関係における情や忠誠は重要であるが、それを理由にして真理を歪めたり沈黙したりすることは、哲学者としての本分に反する。したがって、真理を語ることは単なる知的行為ではなく、倫理的な義務でもあるという視座がここにある。

この名言は現代にも強い示唆を与える。学問、報道、法律、教育などの分野において、人間関係や社会的圧力に屈せず真実を追求する勇気は常に求められる。アリストテレスのこの言葉は、真理への忠実さこそが、人格と社会の健全さを支える柱であるという哲学的信念を端的に語っており、時代を超えて深い倫理的意義を持つ。

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