「アンネのよい面を誰も知らないから、たいていの人は私のことを我慢できないのです。ああ、私は午後のひとときなら面白い道化を演じることもできます。でもそのあとは、もう1か月分のうんざりを与えてしまうのです」

- 1929年6月12日~1945年2月頃
- ドイツ出身(後にオランダに亡命)
- 日記作家、ホロコースト犠牲者
英文
“No one knows Anne’s better side, and that’s why most people can’t stand me. Oh, I can be an amusing clown for an afternoon, but after that, everyone’s had enough of me to last a month.”
日本語訳
「アンネのよい面を誰も知らないから、たいていの人は私のことを我慢できないのです。ああ、私は午後のひとときなら面白い道化を演じることもできます。でもそのあとは、もう1か月分のうんざりを与えてしまうのです」
解説
この言葉は、自己認識と他者からの誤解に苦しむ心情を赤裸々に表している。アンネ・フランクは、自分の中にある思慮深く誠実な側面(better side)が見えず、周囲には騒がしく軽薄に見える面ばかりが伝わっていると感じていた。ここには、本当の自分を知ってもらえないことへの孤独感がにじんでいる。
「an amusing clown」という自己表現には、一時的な関心を引く存在でしかないという自嘲が込められており、その後の「everyone’s had enough of me」という表現は、他人との距離を自ら痛感している苦悩を物語っている。アンネはただ注目されたいのではなく、理解され、受け入れられたいという切実な欲求を持っていたのである。
現代でも、人前で明るく振る舞う一方で、内面の真実に気づかれないまま孤立するという悩みは広く共通する。この名言は、他者から見える自己と内なる自己の落差に苦しむすべての人に向けて、本当の自分を知ってもらいたいという願いと、その難しさを誠実に伝えている。
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