「感銘を受ける本を読んだときは、自分の手をしっかりと引いて落ち着かせなければなりません。そうしないと、人と会ったときに心がおかしいと思われてしまうからです」

- 1929年6月12日~1945年2月頃
- ドイツ出身(後にオランダに亡命)
- 日記作家、ホロコースト犠牲者
英文
“If I read a book that impresses me, I have to take myself firmly by the hand, before I mix with other people; otherwise they would think my mind rather queer.”
日本語訳
「感銘を受ける本を読んだときは、自分の手をしっかりと引いて落ち着かせなければなりません。そうしないと、人と会ったときに心がおかしいと思われてしまうからです」
解説
この言葉は、深く本に感動したときの内面の変化と、それを他人に見せることへの慎重さを表している。アンネ・フランクは、本がもたらす感情の揺れがあまりにも大きいため、外の世界と再び接するには心を整える必要があると感じていた。ここには、感受性の強さと知性の繊細さが垣間見える。
彼女は隠れ家という限られた空間で多くの本を読み、現実から逃れる手段であると同時に、自己形成の糧として活用していた。しかし、その影響はしばしば強烈であり、現実との接点に戻るときに違和感を覚えることがあった。そのため、自分を「しっかりと引き戻す」ことが必要だったのである。
現代においても、文学や芸術に深く心を動かされる経験は共通であり、それを他人にどう伝えるかは難しい課題である。この名言は、感動の余韻と日常の間にある微妙な距離感、そしてそれを内面でどう処理するかという普遍的なテーマを端的に表している。
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