「私は世界がゆっくりと荒れ地に変わっていくのを見ています。私たちをもいつか滅ぼすであろう雷鳴が近づいてくるのを聞きます。何百万もの人々の苦しみを感じます。それでも空を見上げると、なぜかすべてが良い方向に変わる気がするのです。この残酷さもやがて終わり、再び平和と安らぎが戻ってくると」

- 1929年6月12日~1945年2月頃
- ドイツ出身(後にオランダに亡命)
- 日記作家、ホロコースト犠牲者
英文
“I see the world being slowly transformed into a wilderness; I hear the approaching thunder that, one day, will destroy us too. I feel the suffering of millions. And yet, when I look up at the sky, I somehow feel that everything will change for the better, that this cruelty too shall end, that peace and tranquility will return once more.”
日本語訳
「私は世界がゆっくりと荒れ地に変わっていくのを見ています。私たちをもいつか滅ぼすであろう雷鳴が近づいてくるのを聞きます。何百万もの人々の苦しみを感じます。それでも空を見上げると、なぜかすべてが良い方向に変わる気がするのです。この残酷さもやがて終わり、再び平和と安らぎが戻ってくると」
解説
この言葉には、現実の悲惨さと希望との対比が鮮やかに描かれている。アンネ・フランクは、戦争によって荒廃する世界や迫りくる破滅の予感を、「荒れ地」や「雷鳴」といった強烈なイメージで表現しつつ、それでもなお、希望を捨てずに未来を信じる姿勢を貫いている。
彼女の感じた「何百万もの苦しみ」は、ナチスの占領下で多くの人々が味わっていた実際の悲劇であり、その一端を担っていた彼女自身の体験が反映されている。しかしそのような絶望の中でも、空を見上げて希望を抱くという行為は、アンネの内面的な強さと、理性を超えた信仰にも似た希望の表明である。
この名言は、どれほど暗い現実にあっても、未来を信じる心が人を支える力となることを示している。現代においても、紛争や災害、社会的不安が広がる中で、この言葉は人間の希望の力と、心の平穏を求める普遍的な願いを象徴している。どんな時代にも必要とされる、揺るがぬ希望の詩である。
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