「子どもが栄養不足だからといって犯罪者になるとは言えない。重要なのは、その子がどんな結論を導き出したかである」

- 1870年2月7日~1937年5月28日
- オーストリア出身
- 精神科医、心理学者
英文
“We cannot say that if a child is badly nourished he will become a criminal. We must see what conclusion the child has drawn.”
日本語訳
「子どもが栄養不足だからといって犯罪者になるとは言えない。重要なのは、その子がどんな結論を導き出したかである」
解説
この言葉は、個人の行動は環境そのものではなく、その環境に対する解釈や意味づけによって決まるというアドラー心理学の基本原則を示している。たとえ困難な環境に置かれていても、それがその人の未来を直接的に決定づけるわけではない。人は自らの経験から結論を導き出し、その結論に基づいて行動するという観点が重要である。
たとえば、貧困や家庭問題を経験した子どもがすべて非行に走るわけではない。同じような境遇でも「自分は苦しい環境にあるから努力して抜け出そう」と考える者もいれば、「社会は不公平だ」と感じて逸脱行動を正当化する者もいる。問題は環境そのものよりも、その環境にどう意味を与えたかという内面的なプロセスにあるという点が、この言葉の核心である。
この考え方は、教育や子育てにおいて極めて実践的である。子どもの行動の背後にある「結論」を探る姿勢が、表面的な叱責や支援よりも効果的な支援につながる。現代でも、困難な状況にある若者への支援は、単に環境を変えるだけでなく、その子が自分の境遇をどう理解し、どう未来を見ているのかを丁寧に聞き取ることから始めるべきである。
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