「教育者は、生徒の内にある可能性の力を信じなければならず、そしてその力を生徒自身が実感できるよう、あらゆる技を尽くさなければならない」

アルフレッド・アドラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
アルフレッド・アドラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1870年2月7日~1937年5月28日
  • オーストリア出身
  • 精神科医、心理学者

英文

“The educator must believe in the potential power of his pupil, and he must employ all his art in seeking to bring his pupil to experience this power.”

日本語訳

「教育者は、生徒の内にある可能性の力を信じなければならず、そしてその力を生徒自身が実感できるよう、あらゆる技を尽くさなければならない」

解説

この言葉は、アドラーが提唱した勇気づけの教育観を明確に表している。アドラーにとって教育とは、知識を与える行為ではなく、生徒が自己の可能性を信じ、主体的に生きる力を育む過程であった。そのためにはまず、教育者自身が生徒の成長可能性を信じ抜く姿勢を持ち、それを前提として接することが不可欠である。

ここで言う「芸術(art)」とは、単なる教授技術ではなく、生徒の心に寄り添い、その中に眠る力を引き出す創造的な関わり方を意味する。それは一律の方法ではなく、生徒一人ひとりの背景や性格に応じた個別的で人間的な働きかけである。アドラーは、評価や罰によって従わせるのではなく、自己効力感を育てることで自発的な成長を促すことを重視した。

この理念は、現代の教育現場や子育てにも深く通じる。「どうせできない」と思い込む子どもに対して、「君にはできる力がある」と信じ、実感させる働きかけこそが、本当の教育の力である。アドラーは、教育とは単なる指導ではなく、人間としての信頼と尊重に基づく共育の営みであると見抜いていたのである。

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