「私たちはごく短い距離しか見通すことができないが、その先にはやるべきことが数多く見えている」

アラン・チューリング(画像はイメージです)
アラン・チューリング(画像はイメージです)
  • 1912年6月23日~1954年6月7日
  • イギリス出身
  • 数学者、論理学者、暗号解読者、「コンピューター科学の父」

英文

”We can only see a short distance ahead, but we can see plenty there that needs to be done.”

日本語訳

「私たちはごく短い距離しか見通すことができないが、その先にはやるべきことが数多く見えている」

解説

この言葉はアラン・チューリングが科学研究の本質を表現したものである。未来を完全に予測することは不可能であり、研究者は常に限られた範囲しか見渡せない。しかしその限られた視界の中でも、取り組むべき課題や未解決の問題は数多く存在する。この謙虚な姿勢は、計算機科学の黎明期における彼の立場をよく表している。

1940年代から1950年代にかけて、コンピュータはまだ試作段階にあり、その将来像を完全に把握することはできなかった。だがチューリングは、アルゴリズムや人工知能の概念を提示し、次々と解決すべき研究課題を提示した。これは、科学が小さな進歩を積み重ねることで大きな発展を遂げることを示す具体的な姿勢である。

現代においても、この言葉は不確実性の中で努力を続ける重要性を教えている。人工知能の未来、気候変動対策、社会制度の改革など、大局的な未来は予測困難であっても、目前にある問題には取り組むことができる。チューリングの言葉は、限られた視野を嘆くのではなく、その中で見えている課題に向き合うべきだという普遍的な指針を与えている。

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