「私たちは脳が冷たいおかゆのような粘り気を持つという事実には興味がない」

アラン・チューリング(画像はイメージです)
アラン・チューリング(画像はイメージです)
  • 1912年6月23日~1954年6月7日
  • イギリス出身
  • 数学者、論理学者、暗号解読者、「コンピューター科学の父」

英文

”We are not interested in the fact that the brain has the consistency of cold porridge.”

日本語訳

「私たちは脳が冷たいおかゆのような粘り気を持つという事実には興味がない」

解説

この言葉はアラン・チューリングが脳研究における物質的性質と機能的性質の違いを強調する際に用いた比喩である。脳の物理的な質感や外見は本質ではなく、その仕組みや情報処理の能力こそが研究対象であると示しているのである。これはチューリングが心の働きを計算の観点から理解しようとした立場を端的に表す表現である。

当時、神経科学は発展途上であり、生理学的な構造の解明が進められていたが、チューリングは脳の計算原理に注目した。彼にとって重要なのはニューロンの電気的活動がいかに情報を処理し、推論や学習を可能にするかであり、その物理的な触感や形態ではなかった。この視点はのちに認知科学や人工知能研究の基礎を形づくる。

現代においても、この言葉は表層的な特徴にとらわれず本質を見極める態度を示唆している。例えば人工知能の開発において、ハードウェアの材質が金属であるか半導体であるかは本質ではなく、いかに情報を処理できるかが問題である。同様に、人間社会における課題でも外見的な要素に惑わされず、根本的な仕組みや働きを理解することの重要性を教えている。

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