「我々はドイツ自身以外のいかなる神も望まない。ドイツに対する狂信的な信仰と希望と愛を抱くことこそが不可欠なのだ」

アドルフ・ヒトラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
アドルフ・ヒトラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1889年4月20日~1945年4月30日
  • オーストリア=ハンガリー帝国出身
  • ナチス・ドイツの政治指導者

英文

”We do not want any other god than Germany itself. It is essential to have fanatical faith and hope and love in and for Germany.”

日本語訳

「我々はドイツ自身以外のいかなる神も望まない。ドイツに対する狂信的な信仰と希望と愛を抱くことこそが不可欠なのだ」

解説

この発言は、アドルフ・ヒトラーが国家を宗教的対象として神格化し、国民に対して絶対的忠誠を要求する姿勢を明示的に語ったものである。ここでの「神」は抽象的な宗教的存在ではなく、ドイツという国家そのものを超越的な信仰の対象に据えており、事実上の「国家崇拝(statolatry)」を表現している

「狂信的(fanatical)」という語を自ら用いていることは重要であり、これは理性や懐疑を排した、絶対的かつ排他的な感情の集中を求めていることを意味する。このような情熱は、ナチズムが掲げた「民族共同体(Volksgemeinschaft)」の核心でもあり、個人の信仰や思想、倫理よりも、ドイツという国家の存続と栄光への献身を最上の価値とする全体主義的精神構造を示す

この発言が現代に持つ意味は、国家が宗教や道徳を超える「神」として扱われるとき、個人の自由・多様性・批判精神がいかにして抑圧されるかという警告にある。どれほど魅力的な理念や文化的誇りがあったとしても、それが絶対化されたとき、他の価値観や人間性を否定する暴力的装置と化すことを歴史は示している健全な愛国心と狂信的忠誠との境界を見誤らないことが、自由社会を守る鍵となる

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