「個人の自由は、それが共同体の利益を害するところで終わる」

アドルフ・ヒトラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
アドルフ・ヒトラーの名言・格言・警句(画像はイメージです)
  • 1889年4月20日~1945年4月30日
  • オーストリア=ハンガリー帝国出身
  • ナチス・ドイツの政治指導者

英文

”The liberty of the individual ends where it starts to harm the interests of the collective”

日本語訳

「個人の自由は、それが共同体の利益を害するところで終わる」

解説

この発言は、ナチスの基本思想における個人と国家(または民族共同体)の関係を明確に示している。ヒトラーの世界観では、個人の権利や自由は絶対的なものではなく、常に「民族共同体(Volksgemeinschaft)」という全体の利益に従属するものである。この考え方は、自由主義やリベラリズムとは対極に位置する。

「共同体の利益」という言葉は、ナチスにとって国家や民族の「健康」や「純粋性」、「秩序」などを意味し、その定義は常に権力者側の恣意によって決定された。したがって、この論理に基づけば、言論、信仰、結社などの自由も容易に「共同体への脅威」と見なされ、弾圧や排除の対象とされた。このように、全体の名のもとに個を抑圧する構造が、ナチスの支配を正当化する柱の一つであった

現代の自由民主主義においても、個人の自由と公共の利益とのバランスは重要な課題であるが、ナチズムのように「共同体の利益」を絶対視すると、個人の権利が全面的に否定される危険がある。ゆえに、この言葉は、全体主義がいかにして自由を制限し、人権を抹殺するかの典型例として記憶されるべきである

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「ヒトラー」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る