「パリは燃えているか?」

アドルフ・ヒトラー(画像はイメージです)
アドルフ・ヒトラー(画像はイメージです)
  • 1889年4月20日~1945年4月30日
  • オーストリア=ハンガリー帝国出身
  • ナチス・ドイツの政治指導者

英文

”Is Paris burning?”

日本語訳

「パリは燃えているか?」

解説

この言葉は、アドルフ・ヒトラーが1944年8月、連合軍によるパリ解放の直前にドイツ軍司令官ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍に発したとされる問いである。背景には、ヒトラーが「もしパリを保持できないなら、完全に破壊せよ」と命じていたと伝えられる命令があり、フランスの首都が連合国の手に渡ることを認めず、文化・歴史の象徴たる都市を消し去るという極端な命令に繋がっていた。

コルティッツ将軍はこの命令に従わず、パリの大規模な破壊を回避したとされ、後に「パリを救った男」と称されることになる。この逸話は、ヒトラーの破滅的な世界観と、敗北を前にした狂気の象徴的な瞬間として記憶されており、ラリー・コリンズとドミニク・ラピエールの著書『パリは燃えているか?(Is Paris Burning?)』や同名の映画(1966年)によって広く知られるようになった。

この短い一言は、ヒトラーの終末思想、「勝利なき存在の否定」という全体主義的絶対思考の凝縮された表現であり、都市や文化、人命すら道具として扱う独裁者の冷酷な視点を象徴している。現代においても、戦争の中で文化遺産や民間人が「交渉の対象」や「報復の道具」となる危険性への警鐘として語り継がれるべき言葉である。

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