「私は知りたい。『全ての人は平等である』という原則を掲げたこの古い独立宣言を持ち出し、それに例外を設け始めるなら、どこで止まるのか。一人の人間が『それは黒人を意味しない』と言うなら、別の人間が『それは他の誰かを意味しない』と言うのはなぜいけないのか」
- 1809年2月12日~1865年4月15日
- アメリカ出身
- 政治家、弁護士
- 第16代アメリカ合衆国大統領として、隷解放宣言を発布し、南北戦争を指導して国家の統一を維持した
英文
”I should like to know if, taking this old Declaration of Independence, which declares that all men are equal upon principle, you begin making exceptions to it, where will you stop? If one man says it does not mean a Negro, why not another say it does not mean some other man?”
日本語訳
「私は知りたい。『全ての人は平等である』という原則を掲げたこの古い独立宣言を持ち出し、それに例外を設け始めるなら、どこで止まるのか。一人の人間が『それは黒人を意味しない』と言うなら、別の人間が『それは他の誰かを意味しない』と言うのはなぜいけないのか」
解説
この名言は、平等の普遍的な価値を守ることの重要性を強く訴えている。リンカーンはここで、独立宣言の基本原則である「すべての人は平等に創られている」という理念を引用し、その原則に例外を設けることの危険性を指摘している。もしも特定の人種やグループを除外することを許容すれば、次第にその例外が広がり、最終的には誰もがその対象になり得るという論理である。
リンカーンがこの言葉を述べた背景には、奴隷制度を正当化するために「平等」という概念を歪めようとする主張への反発がある。彼は、奴隷制が「人は平等である」という根本的な理念を否定するものであり、アメリカの建国の精神に反すると考えた。この言葉は、平等を守ることが民主主義と人間の尊厳を維持する上で不可欠であるという彼の信念を明確に示している。
現代では、この名言は、人権や社会正義の分野において非常に重要な教訓を提供する。平等の原則を守らなければ、不平等や差別が社会全体に浸透し、民主主義そのものが脅かされる可能性がある。例えば、人種、性別、宗教、性的指向に基づく差別に対する闘いは、この言葉の示す危機感を現代に適用する具体例である。リンカーンのこの言葉は、平等をめぐる議論における普遍的な基盤を提供し続けている。
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