「悪のことだけを考えていれば、フロイトのように悲観的で絶望的になる。しかし、悪が存在しないと考えるなら、それは現実を見ない楽天主義者にすぎない」

- 1908年4月1日~1970年6月8日
- アメリカ合衆国出身
- 心理学者、教育者、理論家
- 人間性心理学の創始者の一人として知られ、「欲求階層説」や「自己実現」の概念を提唱。人間の成長や潜在能力に焦点を当てた理論は、心理学のみならず教育・ビジネス分野にも大きな影響を与えた。20世紀の心理学思想における中心的人物である。
英文
“If you think only of evil, then you become pessimistic and hopeless like Freud. But if you think there is no evil, then you’re just one more deluded Pollyanna.”
日本語訳
「悪のことだけを考えていれば、フロイトのように悲観的で絶望的になる。しかし、悪が存在しないと考えるなら、それは現実を見ない楽天主義者にすぎない」
解説
この言葉は、マズローが提唱したバランスの取れた人間理解の重要性を鋭く語っている。彼は、ジークムント・フロイトのように人間の暗い側面――欲望、攻撃性、無意識の葛藤――に過度に注目することの危険性を批判すると同時に、逆に悪を完全に否定して人間の善性だけを理想化する立場も非現実的であると指摘している。
マズローは、人間には善と悪の両方が存在するという複雑かつ全体的な視点を持つべきだと考えた。人間の可能性や成長を信じながらも、現実に存在する破壊的衝動や不正義に目をそらすことなく向き合う態度が求められるという立場である。この視点こそが、彼の人間性心理学における深いリアリズムと倫理性の核心である。
現代社会においても、この考え方は健全な判断力の基盤となる。たとえば社会問題や人間関係においても、人間の善意と限界の両方を認めることが、建設的な解決と持続可能な信頼関係を築く鍵となる。マズローのこの言葉は、極端な悲観主義にも理想主義にも陥らず、現実を見据えた希望を持つことの大切さを教えてくれる。
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