「もし私が黒人であったなら、人間としての承認と正義のために、マーティン・ルーサー・キングのように闘っていただろう。私は、旗を掲げたまま倒れる方を選ぶ。弱かったり、傷ついていたり、声を上げたり反撃したりできないと、人々はためらいなくあなたをひどく扱うものだ」

- 1908年4月1日~1970年6月8日
- アメリカ合衆国出身
- 心理学者、教育者、理論家
- 人間性心理学の創始者の一人として知られ、「欲求階層説」や「自己実現」の概念を提唱。人間の成長や潜在能力に焦点を当てた理論は、心理学のみならず教育・ビジネス分野にも大きな影響を与えた。20世紀の心理学思想における中心的人物である。
英文
“If I were a Negro, I’d be fighting, as Martin Luther King fought, for human recognition and justice. I’d rather go down with my flag flying. If you’re weak or crippled, or you can’t speak out or fight back in some way, then people don’t hesitate to treat you badly.”
日本語訳
「もし私が黒人であったなら、人間としての承認と正義のために、マーティン・ルーサー・キングのように闘っていただろう。私は、旗を掲げたまま倒れる方を選ぶ。弱かったり、傷ついていたり、声を上げたり反撃したりできないと、人々はためらいなくあなたをひどく扱うものだ」
解説
この言葉は、マズローの正義と人間の尊厳に対する強い信念を示している。彼は、差別と抑圧に対して声を上げ、行動することの意義を明確に認識しており、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアのような非暴力的闘争を人間としての尊厳を取り戻すための道として評価していた。また「旗を掲げたまま倒れる」という比喩は、名誉ある抵抗と自尊心を守る姿勢を象徴している。
この言葉が語るもう一つの側面は、社会が弱者に対して冷酷である現実への鋭い観察である。声を上げる力、反撃する手段を持たない人々は、しばしば無視され、搾取される。マズローはこの構造的な不正義に対し、声を失った人々への共感と、声を上げる責任を自らの立場から強く感じていた。
現代社会においても、この言葉はマイノリティの権利運動、障害者福祉、社会的弱者の支援において、ただ「守る」だけでなく、「ともに立ち上がる姿勢」の重要性を訴えるものとして深い意義を持つ。マズローは、沈黙の強制や無力の中で生きる人々に代わって声を上げることこそ、人間性の表現であると信じていた。
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