「音楽家は音楽を奏で、芸術家は絵を描き、詩人は詩を書くことによってのみ、最終的に自分自身と平和でいられる」

- 1908年4月1日~1970年6月8日
- アメリカ合衆国出身
- 心理学者、教育者、理論家
- 人間性心理学の創始者の一人として知られ、「欲求階層説」や「自己実現」の概念を提唱。人間の成長や潜在能力に焦点を当てた理論は、心理学のみならず教育・ビジネス分野にも大きな影響を与えた。20世紀の心理学思想における中心的人物である。
英文
“A musician must make music, an artist must paint, a poet must write, if he is to be ultimately at peace with himself.”
日本語訳
「音楽家は音楽を奏で、芸術家は絵を描き、詩人は詩を書くことによってのみ、最終的に自分自身と平和でいられる」
解説
この言葉は、マズローの提唱する自己実現の原理を非常に明快に表現している。人は自らに備わった才能や使命を果たすときにのみ、内面的な平穏と充実感を得ることができるという思想である。それぞれの人間には、固有の資質と表現欲求があり、それを抑圧することは自己の否定につながる。
ここで語られる「しなければならない(must)」という言葉には、外的義務ではなく、内発的な必要性が込められている。つまり、音楽家が音楽を奏でるのは評価されたいからではなく、そうすることが自分であるために不可欠だからである。マズローはこのような状態を「being values(存在価値)」に基づく生き方と呼び、それが人間の精神的健康を支えると考えた。
この考えは、現代の働き方や教育にも深く影響を与えている。画一的なキャリアや成功の定義にとらわれず、自分の「呼び声(vocation)」に従って生きることが、真の幸福と一致するという視点である。マズローのこの言葉は、人間がその本質を裏切らずに生きることの重要性と、それによって得られる深い安らぎを力強く伝えている。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
申し込む
0 Comments
最も古い