「私は人の背中に乗り、彼を窒息させて自分を運ばせながらも、自分は彼に本当に同情しており、できる限り彼の負担を軽くしたいと自分や他人に言い聞かせている――ただし、背中から降りることはしない」
- 1828年9月9日~1910年11月20日
- ロシア出身
- 作家、哲学者
- 『戦争と平和』や『アンナ・カレーニナ』、『イワンのばか』などの大作を執筆し、文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた
英文
“I sit on a man’s back, choking him and making him carry me, and yet assure myself and others that I am very sorry for him and wish to ease his lot by all possible means – except by getting off his back.”
日本語訳
「私は人の背中に乗り、彼を窒息させて自分を運ばせながらも、自分は彼に本当に同情しており、できる限り彼の負担を軽くしたいと自分や他人に言い聞かせている――ただし、背中から降りることはしない」
解説
トルストイのこの名言は、表面的な同情や偽善に対する厳しい批判を表している。 自分が他者に苦しみを与えていることを知りつつも、根本的な行動を取らずに自己満足を得る人間の姿勢を鋭く描いている。トルストイは、単なる口先の同情や支援ではなく、実際の行動が伴わなければ真の助けにはならないことを強調している。この言葉は、特に19世紀後半のロシアにおける貧困層と富裕層の関係に根ざしており、特権を享受する立場の人々が、貧しい人々に対する実質的な支援を怠ることへの警鐘でもある。
現代においても、この言葉は私たちの社会における不平等や偽善を批判する強いメッセージとして響く。 労働者や環境に負担をかける行為を続けながらも、「支援」や「改善」を表明するだけで実際には根本的な解決を避ける姿勢は、企業や個人の間にも見られる。トルストイの言葉は、他者のために何かをすると主張するならば、本当にその負担を軽減するための行動を取るべきだと教えている。
さらに、この名言は、行動が伴わない同情の虚しさを問いかけ、真の共感を促している。 本当に相手のためを思うならば、単に同情を示すだけでなく、自らの行動を変え、相手の苦しみを軽減する実際の行動を取るべきである。トルストイの言葉は、偽善を乗り越え、誠実に他者を支えるための実行力の重要性を強調している。
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