「セールスマンは、自分が売っているものについて何も知らない。ただし、それに対して非常に高い値段を請求していることだけは知っている」

オスカー・ワイルド
オスカー・ワイルドの名言
  • 1854年10月16日~1900年11月30日
  • アイルランド出身
  • 作家、詩人、劇作家
  • 『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』などの小説、戯曲、詩を執筆し、ウィットに富んだ社会批評とユーモアを通じて、19世紀後半のイギリス文学に大きな影響を与えた

英文

“The salesman knows nothing of what he is selling save that he is charging a great deal too much for it.”

日本語訳

「セールスマンは、自分が売っているものについて何も知らない。ただし、それに対して非常に高い値段を請求していることだけは知っている」

解説

オスカー・ワイルドはこの名言で、商売や販売における皮肉を表現している。セールスマンが売っている商品の価値や内容について無知でありながら、過剰な価格で販売している状況を風刺しており、ビジネスの表面的な利益追求や本質を無視した営業の姿勢を批判している。この言葉には、物の本質や価値を理解することなく、利益のためだけに売買が行われる商業社会の問題点が込められているのである。19世紀末のイギリスでも商業活動やビジネスが拡大し、利益優先の販売手法が広まっていた背景があり、ワイルドはそれに対して皮肉を込めてこの言葉を述べている。

現代においても、この名言は消費主義と利益至上主義への批判として通じる部分がある。売り手が商品やサービスの本当の価値を理解しないままに高額で提供することで、消費者の信頼が失われたり、不満が生まれることがある。たとえば、商品自体の品質や価値が伴っていないにもかかわらず、マーケティングによって高額で販売されることは少なくない。ワイルドの言葉は、物の本質を理解しないままに商業的な利益のみを追求することの危うさを指摘し、価値に見合った適正価格や誠実な販売の重要性を示しているのである。

また、この名言は、誠実さと知識に基づく取引の価値についても考えさせる。物やサービスを売る際には、その内容や価値を理解し、顧客に真摯に向き合うことが本来の姿勢であるといえる。ワイルドはこの言葉を通じて、ビジネスが表面的な利益のためではなく、本質に基づく価値を提供することで信頼を築くべきだと示唆しているのである。

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