「宗教の真実は、理性を失った者によって最もよく理解される」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“The truths of religion are never so well understood as by those who have lost the power of reason.”
日本語訳
「宗教の真実は、理性を失った者によって最もよく理解される」
解説
ヴォルテールは、理性を失うことで、宗教的な「真実」に対する理解が深まるという皮肉を込めている。理性的に物事を捉える人々にとって、宗教の教義や信仰は理解が難しい部分もあるが、理性が希薄になると、信仰が感覚的に、あるいは無条件に受け入れやすくなると考えられている。ヴォルテールは、宗教の信仰と理性の関係に対して懐疑的な視点を持ち、宗教的な真実が論理的な思考よりも感情や信心に依存する部分が大きいと指摘している。
現代においても、この言葉は信仰と理性、信心と論理の関係についての考察を促す。信仰においては、理屈では説明しきれない体験や神秘的な要素が強調されることがあり、必ずしも論理的な裏付けを必要としない場合が多い。しかし、宗教の教えや信仰に対して理性的な目線が加わると、疑問や批判が生まれやすくなる。この名言は、理性が信仰における「真実」の受容を妨げる要因になり得ることを示し、信仰がしばしば論理を超えた領域にあるという認識を示している。
この名言は、信仰が理性を超えた部分で受け入れられる傾向があることを教えている。宗教的な「真実」が感情的で直感的な理解に頼る場合、理性に基づいた考察がかえって信仰の本質を見失わせる可能性がある。ヴォルテールの言葉は、宗教と理性の関係に対する鋭い洞察を示し、信仰の受容には、しばしば論理を超えた感覚や心の柔軟さが関わることを暗示している。
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