「話し手が理解しておらず、聞き手も理解しない時、それが形而上学だ」

ヴォルテール
ヴォルテールの名言
  • 1694年11月21日~1778年5月30日
  • フランス出身
  • 哲学者、文学者、歴史家
  • 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる

英文

“When he to whom one speaks does not understand, and he who speaks himself does not understand, that is metaphysics.”

日本語訳

「話し手が理解しておらず、聞き手も理解しない時、それが形而上学だ」

解説

ヴォルテールは、形而上学がしばしば複雑で曖昧な概念を扱うため、話し手も聞き手も完全には理解できない状況が生まれることを皮肉交じりに表現している。この名言には、哲学的・抽象的な議論が時として過度に難解になり、結果として議論する当人同士でさえその内容を把握できないことがあるという批判が込められている。形而上学が人間の理解を超える深遠なテーマに取り組むことから、解釈のずれや曖昧さが生じやすく、それが一層の混乱を引き起こすという点を指摘している。

現代においても、この言葉は抽象的な議論や難解な理論の理解が困難な場面に対する批判として共感される。たとえば、高度な哲学理論や専門的な学問において、用語や概念が複雑すぎて、実際の意味が曖昧になることがある。このような場合、議論に参加する人々が理解のギャップに悩まされ、会話が非生産的になりがちである。ヴォルテールの言葉は、理解が共有されていない議論がいかに無益に感じられるかを鋭く指摘し、コミュニケーションの重要性や、明快な説明の価値を強調している。

この名言は、対話や議論において、理解の共有が欠けている場合、いかに議論が無意味に感じられるかを教えている。複雑なテーマを扱う際には、簡潔でわかりやすい言葉を用いることが重要であり、そうすることで本質的な理解と議論の進展が得られる。ヴォルテールの言葉は、哲学的・抽象的な議論であっても、コミュニケーションの明確さが人間の理解にとって不可欠であることを示している。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る