「すべての作家において、その人と作品を区別しよう」
- 1694年11月21日~1778年5月30日
- フランス出身
- 哲学者、文学者、歴史家
- 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる
英文
“In every author let us distinguish the man from his works.”
日本語訳
「すべての作家において、その人と作品を区別しよう」
解説
ヴォルテールは、著者の人間性や私生活と作品の内容を切り離して評価する必要があることを主張している。彼は、作家の人格や行動が必ずしも作品の価値や意図と一致するわけではないと考え、作品そのものを独立した視点で受け止めるべきだと示唆している。ヴォルテール自身、論争的で批判的な作品を数多く書いたが、それが必ずしも彼の個人的な性格やすべての思想を反映しているわけではなかった。この名言には、作品を客観的に評価する姿勢の重要性が込められている。
現代においても、この言葉は作品と作者のプライベートな行動や意見を区別して評価する必要性を感じさせる。たとえば、作家や芸術家の作品が素晴らしくても、彼らの私生活や行動が批判の対象となることがある。しかし、個人の行動や価値観が必ずしも作品そのものと同一ではないため、作品は作品としての価値を評価すべきであるとする見方が尊重されている。特に、現代ではSNSやメディアを通じて著者の私生活や発言が可視化されやすくなり、作品と著者を分けて評価することが難しくなっているが、ヴォルテールの言葉は作品を独立した存在として捉えることの意義を示している。
この名言は、創作物の価値を著者個人に還元することなく、独立した視点で鑑賞する重要性を教えている。作品は、それ自体が芸術的、文学的な価値を持ち、個人の生活や意見に影響されずに評価されるべきものである。ヴォルテールの言葉は、作品と著者の人格を切り離し、作品を客観的に評価することの大切さを強調している。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?