「迷信が宗教に対する関係は、占星術が天文学に対する関係に似ている。それは賢母が生んだ狂気の娘である。この娘たちはあまりにも長く地上を支配してきた」

ヴォルテール
ヴォルテールの名言
  • 1694年11月21日~1778年5月30日
  • フランス出身
  • 哲学者、文学者、歴史家
  • 『歴史哲学』、『寛容論』、『哲学辞典』、『哲学書簡』、『オイディプス』、『カンディード』などの多数執筆し、啓蒙思想の先駆者として知られる

英文

“Superstition is to religion what astrology is to astronomy: the mad daughter of a wise mother. These daughters have too long dominated the earth.”

日本語訳

「迷信が宗教に対する関係は、占星術が天文学に対する関係に似ている。それは賢母が生んだ狂気の娘である。この娘たちはあまりにも長く地上を支配してきた」

解説

ヴォルテールは、迷信と宗教の関係を皮肉を込めて表現している。18世紀のヨーロッパは啓蒙思想が広がり、科学や合理性が重視される時代であった。宗教と科学の境界が曖昧だった時代から、科学が確立されるに従い、ヴォルテールのような啓蒙思想家は、無知や迷信からの解放を訴えるようになった。この名言では、宗教が本来持つ倫理や道徳の教えを「賢母」として尊重しつつ、それが変質して非合理な迷信や狂信に変わる危険性を指摘している。

現代においても、迷信や科学的根拠のない信仰は依然として存在し、多くの人々の行動に影響を与えている。例えば、健康や運勢に関する迷信が広まっていることが挙げられる。科学が進歩した現代であっても、迷信や疑似科学が時折、人々の判断を曇らせ、生活に影響を与えることがある。また、社会が不安定になると、オカルト的な思想が流行することも多く、歴史が繰り返されている様子が見受けられる。

この名言は、真理と迷信の違いを見極めることの重要性を強調している。ヴォルテールのように、宗教や信仰の「賢い母」の教えを尊重しつつ、非合理な迷信や誤った信仰に流されないために、理性や知識を重視する姿勢が求められる。これは、現代の科学教育や情報リテラシーの重要性にも通じる普遍的な教訓といえるだろう。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最新 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る