「韻、それは囚われた女王、詩の至高の魅力、そしてリズムを創り出すもの」
- 1802年2月26日~1885年5月22日
- フランス出身
- 作家、詩人、劇作家
- 『レ・ミゼラブル』『ノートル=ダム・ド・パリ』などの小説や詩を執筆し、フランス・ロマン主義文学を代表する存在であり、世界的な影響を与えた
英文
“Rhyme, that enslaved queen, that supreme charm of our poetry, that creator of our meter.”
日本語訳
「韻、それは囚われた女王、詩の至高の魅力、そしてリズムを創り出すもの」
解説
この名言は、詩の中で韻が持つ美しさと制約についてのユゴーの深い洞察を示している。 ヴィクトル・ユゴーは、韻が詩のリズムや音の美しさを形作る中心的な要素であり、「女王」のように詩に高貴な魅力をもたらすと表現している。しかし同時に、「囚われた女王」とも呼び、韻が詩の構造に制約を与える存在でもあると述べている。韻を合わせることによって詩のリズムや美しさが生まれるが、そのために詩人は表現において一定の制限を受けるため、この美しい制約が詩人の自由な表現を束縛することもあるという両面性を描いている。
ユゴーの視点は、詩の技法と創造性の間にある葛藤や美しさのバランスを浮き彫りにしている。 韻があることで詩にリズムが生まれ、言葉が心地よい響きを持つ一方で、韻を合わせるために使える語彙が限定されるため、表現の自由が制約される。しかし、こうした制限が詩人の技巧や創意工夫を引き出し、韻の美しさと詩の魅力を高める結果にもなる。ユゴーは、韻が詩のリズムと音の魔法を生み出す「創造者」であり、その制約の中で詩が独自の美を発揮することを称賛している。
この名言は、現代においても詩や芸術における構造と創造性の関係を考える上での示唆に富んでいる。 制約や形式が創造性を妨げるのではなく、逆に新しい表現の可能性を引き出す力になるという考え方は、詩に限らずさまざまな芸術に通じるものがある。韻やリズムが詩に与える独特の力を通じて、ユゴーの言葉は、制約があるからこそ創造が発展するという視点を提供し、芸術の本質的な魅力とその豊かさを再認識させてくれるものである。
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