「すべての人間は出来事の創造的な原因であり、独自の運動を持つ第一の動者である」
- 1844年10月15日~1900年8月25日
- ドイツ出身
- 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
- 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた
英文
“Every man is a creative cause of what happens, a primum mobile with an original movement.”
日本語訳
「すべての人間は出来事の創造的な原因であり、独自の運動を持つ第一の動者である」
解説
ニーチェは、個々の人間がただ受動的に出来事を受け入れるのではなく、世界に影響を与え、独自の力で出来事を創り出す存在であると考えている。「第一の動者(primum mobile)」とは、哲学や神学で「自らが動きつつ他を動かす存在」として古くから用いられてきた概念で、ここでは人間が自己の力で動き、影響を及ぼす創造的な主体であることを表している。ニーチェは、人間は外部の力に動かされるだけの存在ではなく、自分の行動や意志を通じて現実や未来を創造する力を持つと述べている。この独自の「原初の運動」は、その人がもたらす独自の影響力や創造性を指している。
この見解は、個人の自由意志と創造性を強調するニーチェの思想と一致している。たとえば、個人が自らの人生や社会に影響を与え、自己の力で新たな状況を生み出す力を持つと考えることは、彼の「超人思想」とも関係がある。自分の行動が世界に対して何らかの影響を持ち、独自の意志と行動によって未来を創造する存在であるという認識が、自己実現や価値の創造を促進する要因となる。ニーチェは、個人が自身の存在意義を見出し、能動的に人生に関与することが重要だと考えている。
ニーチェのこの言葉は、すべての人間が自己の意志と創造的な行動を通じて、現実を形作る力を持つことを示している。人間は単に他者や外部の影響に左右される存在ではなく、自分自身が変化の原動力となり、新たな価値を生み出すことができるという考え方である。ニーチェは、人間が自己の創造性を認識し、積極的に行動することで、独自の運動を持つ「第一の動者」としての人生を築くことができると信じている。
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