「恐れは道徳の母である」
![フリードリヒ・ニーチェ](https://note.lv73.net/wp-content/uploads/2024/11/Nietzsche187a-512.webp)
- 1844年10月15日~1900年8月25日
- ドイツ出身
- 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
- 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた
英文
“Fear is the mother of morality.”
日本語訳
「恐れは道徳の母である」
解説
ニーチェは、道徳の根源には「恐れ」があり、道徳が生まれる背景には、人々が社会や他者の目、罰、苦痛への恐れを抱いていることがあると指摘している。道徳は、個人が罰や非難を受けることを避け、社会的な安定を保つためのルールとして機能するが、そのルールを遵守する主な動機が恐れである場合、道徳は強制的な規範となり、真の価値や自由を追求するものではなくなる。このように、恐れから生まれた道徳は、人々が罰を避けるために行動を規制し、従順であることを強いるが、それが本質的な善や自由意志による選択から生まれているわけではないとニーチェは考えている。
ニーチェのこの見解は、伝統的な道徳観や宗教的な規範への批判としても解釈できる。たとえば、宗教的な道徳が罪や罰、地獄への恐れに基づいている場合、人々は恐怖によって行動を規制され、内面的な善や自由意志による選択ではなく、外部から強制された道徳に従うことになる。ニーチェは、このような道徳観が人間の自由や自己実現を制限し、本来の力を発揮できない原因になると考えている。このように、恐れから発生する道徳は、個人の真の成長や価値とは異なり、外的な強制力によって維持されるものであると示唆している。
ニーチェのこの言葉は、恐れに基づく道徳が人間の自由や成長を制限する可能性を示している。本来の善や価値は、恐れによって強制されるものではなく、自己の意志や自由な選択によって見出されるべきだというのがニーチェの見解である。彼は、恐れから解放され、本質的な価値を追求することで、真に豊かな生き方が可能になると考えている。
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