「では、究極的に見て、人類の真実とは何か? それは、人類の反駁し得ない誤りである」

フリードリヒ・ニーチェ
フリードリヒ・ニーチェの名言
  • 1844年10月15日~1900年8月25日
  • ドイツ出身
  • 思想家、哲学者、詩人、古典文献学者
  • 『ツァラトゥストラはこう語った』『善悪の彼岸』『道徳の系譜』などの著作で、従来の道徳や宗教、真理に疑問を投げかけ、現代哲学に多大な影響を与えた

英文

”What then in the last resort are the truths of mankind? They are the irrefutable errors of mankind.”

日本語訳

「では、究極的に見て、人類の真実とは何か? それは、人類の反駁し得ない誤りである」

解説

ニーチェは、人類が「真実」として受け入れているものが、実際には「反駁し得ない誤り」であると指摘している。彼の考えでは、人間が真実として信じるものは、しばしばその社会や文化、時代に根ざした相対的なものであり、絶対的な真実ではない。これらの「真実」は、疑いなく信じられることで反論しにくくなり、結果として絶対的な「誤り」として確立される。ニーチェは、人間が持つ確信や価値観の多くが、不変の真実ではなく、社会が共有する一種の錯覚に過ぎないと考えている。

この視点は、現代における多様な価値観や文化的な真実についての考え方にも影響を与える。たとえば、ある時代や文化では普遍の真実とされた考え方が、別の時代や地域では誤りとされることがある。道徳や価値観が社会によって異なることが多いことからも、ニーチェの言う「反駁し得ない誤り」が普遍的な真実として扱われることがあるのだ。また、科学的な「真実」でさえ、時代が進むにつれて覆される場合もあるため、現代でも固定的な真実を疑う姿勢が必要とされる。

ニーチェのこの言葉は、私たちが信じる「真実」を絶対視せず、常に批判的な視点を持つことの重要性を教えている。真実だとされることが実際には誤りである可能性を考慮し、価値観や理解を柔軟に更新することで、より深い理解と自己成長に繋がる。ニーチェは、人類の「真実」が時代や社会によって形成されるものである以上、絶え間ない検証と再評価が求められると示唆している。

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