「最初に空気の匂いを嗅ぐとき、私たちは泣きわめく。生まれたとき、我々が泣くのは、この愚かな世界に来てしまったからだ」

ウィリアム・シェイクスピア
ウィリアム・シェイクスピアの名言
  • 1564年4月26日~1616年4月23日
  • イングランド出身
  • 劇作家、詩人、俳優
  • 「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」、「マクベス」などの傑作を数多く執筆し、英文学に多大な影響を与えた

英文

“Thou know’st the first time that we smell the air we wawl and cry. When we are born we cry, that we are come to this great state of fools.”

日本語訳

「最初に空気の匂いを嗅ぐとき、私たちは泣きわめく。生まれたとき、我々が泣くのは、この愚かな世界に来てしまったからだ」

解説

この名言は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『リア王』に登場する一節であり、人生の苦悩や人間の愚かさを鋭く皮肉っている。リア王が述べるこの言葉は、人間の生まれながらの無力さと、人生の混乱に対する失望を表している。新生児が泣くのは単に生理的な理由だけでなく、シェイクスピアはそれを、我々が愚かな世界に足を踏み入れたことへの無意識の抗議とする深い解釈を加えている。

この言葉は、人間の存在の儚さや人生の苦しみを強調しており、シェイクスピアの作品全体に流れる悲観的なテーマを象徴している。人生はしばしば困難に満ちており、人は成長するにつれて社会の複雑さや不条理に直面する。この世に生まれること自体が、苦しみや葛藤の始まりであるという見方は、シェイクスピアが描く世界観の一つとして、読者に強い印象を与えている。

現代においても、この名言は人間社会の欠点や矛盾に対する批判として引用されることがある。たとえば、社会の理不尽な制度や人間の愚かな行動に気づいたとき、この言葉は共感を呼ぶ。シェイクスピアは、人間の生きることの意味を問い、人生の悲劇性を受け入れつつも、その中で生き抜く覚悟を促している。彼のこの洞察は、人生の真実を鋭く捉え、私たちに生と死、喜びと苦しみの意味を考えさせるのである。

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