「権力は要求なしに何も譲らない。かつてそうであったことはなく、これからも決してない」

フレデリック・ダグラス
フレデリック・ダグラス(画像はイメージです)
  • 1818年2月頃~1895年2月20日(77歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 奴隷解放運動家、作家、演説家、政治活動家

英文

“Power concedes nothing without a demand. It never did and it never will.”

日本語訳

「権力は要求なしに何も譲らない。かつてそうであったことはなく、これからも決してない」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉が意図しているのは、支配や不正が自然に是正されることはなく、変化は必ず意識的な要求と行動によってのみ生まれるという考え方である。権力は自らを制限する動機を持たないため、黙認や忍耐は改善をもたらさず、むしろ現状を固定化するという現実的な認識がここに示されているのであり、自由とは与えられるものではなく主張され獲得されるものだという価値観が核にある。

この洞察が生まれた十九世紀の社会では、法と慣習が少数者を組織的に抑圧しており、その不正は善意や時間の経過では解消されなかった。フレデリック・ダグラスは、奴隷制の廃止も市民的権利の拡大も、抗議、組織化、言論といった要求の積み重ねによってのみ実現してきた歴史を踏まえ、この言葉で権力と正義の非対称性を鋭く言い表していた。

現代においてもこの言葉は、民主主義や労働、表現の自由が自動的に守られるものではないという警告として読むことができる。制度があるだけでは不十分で、それを実質化するために市民が声を上げ、交渉し、時に対立することが必要になるからである。啓蒙思想が重視した自律とは、静かな服従ではなく、理性と勇気をもって不当な権力に要求を突きつける姿勢にこそ宿るということを、この短い二文は明確に語っているのである。

「フレデリック・ダグラス」の前後の引用


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