「同僚とばかり話しおうててはいかん。街頭へ出ていってヒントを得てこい」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「同僚とばかり話しおうててはいかん。街頭へ出ていってヒントを得てこい」
出典
松下幸之助発言集 第13巻
解説
この言葉は、内向きの情報循環から抜け出し、現場や社会の実相に触れて発想を得よという実践的な教えである。組織の中だけで議論を重ねれば安全ではあるが、視野は閉じ、仮説は同質性の中で強化されるにすぎない。答えは会議室ではなく顧客や生活者の現場に落ちているという現実認識がここにある。
この思想の背景には、松下が市場観察と顧客の声を起点に製品改良を重ねた経験がある。同僚との合意形成よりも、まずは使い手の不便や未充足を見つけることが先であるという順序観である。時代が変わっても、現場を歩くことで仮説が洗われ、思い込みが剝がれ、真の課題が立ち上がるという原理は不変である。
現代への応用としては、データ分析やオンライン調査に偏らず、一次情報の収集—ユーザーインタビュー、店舗観察、フィールドテスト—を日常業務に組み込むことである。部署内の会話比率を意識的に外部接点へ振り向け、見聞を持ち帰って同僚と再検討する循環を作れば、内と外を往復する学習が革新を生む。名言は、現場起点の思考こそが停滞を破る最短路であることを示唆している。
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