「『人情の機微』という言葉がありますが、ほんの些細なことで、うれしくなったり、悲しくなったり、あるいは怒りを感じたり、また、大きくふくらんだり、しぼんでしまったり、微妙に動くのが人の心です」

松下幸之助(画像はイメージです)
松下幸之助(画像はイメージです)
  • 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
  • 日本出身
  • 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」

原文

「『人情の機微』という言葉がありますが、ほんの些細なことで、うれしくなったり、悲しくなったり、あるいは怒りを感じたり、また、大きくふくらんだり、しぼんでしまったり、微妙に動くのが人の心です」

出典

人生心得帖

解説

この言葉は、人の心の繊細さと移ろいやすさを表している。人間は理屈だけで生きているのではなく、日常の些細な出来事によって大きく感情が揺れ動く存在である。喜びや悲しみ、怒りといった感情はほんの小さなきっかけで変化し、時に大きく膨らみ、またしぼむ。まさにこれが「人情の機微」と呼ばれるものである。

松下幸之助は、経営や人間関係において、この人情の機微を理解することの大切さを強調した。合理的な経営判断だけではなく、社員や顧客の感情の動きを理解し、配慮することが信頼関係を築く鍵となる。人の心は機械のように一定ではなく、微妙に動くという認識があったからこそ、彼は「人を生かす経営」を実践できたのである。

現代社会においても、この視点は重要である。人間関係や組織運営において、数字や効率だけを追えば摩擦が生まれる。そこに「人情の機微」を理解する心を加えれば、相手の気持ちに寄り添い、円滑な関係を築ける。この名言は、人間の心の繊細さを尊重し、それを踏まえた行動が大切であることを教えている。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「松下幸之助」の前後の名言へ

申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る