「徳は教えることも習うこともできない。自分で悟るしかない」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「徳は教えることも習うこともできない。自分で悟るしかない」
出典
リーダーを志す君へ――松下政経塾 塾長講話録
解説
この言葉は、徳というものは外部から与えられるものではなく、自らの体験と省察によって身につくものであるという考えを示している。松下幸之助は、知識や技術は学習や教育によって習得できるが、徳はそうではなく、自分自身の気づきと実践を通じて初めて養われると強調しているのである。
時代背景として、松下は経営者として多くの人材を育成したが、その過程で「徳」を体系的に教えることの難しさを痛感していた。彼が説いたのは、道徳的な規範を暗記するのではなく、日常の仕事や人との関わりの中で自ら体験し、反省することで徳が磨かれるという現実的な姿勢である。ここには、教育や訓練では補えない人間的成熟の重要性が反映されている。
現代においても、この言葉は示唆に富んでいる。たとえば、倫理やリーダーシップは教科書で学ぶだけでは不十分であり、実際の行動と経験を通じて自ら悟ることが不可欠である。失敗や葛藤を経て、自分で考え抜いたときにこそ本当の徳が育つ。名言は、徳の本質が「自分で悟る」という内面的な成長にあることを明確に伝えているのである。
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