「会社の経営者というものは、やはり、会社としての経営の基本的な方針は全員に徹底させるが、あとはできるだけ各人の責任において自由にやってもらう、というやり方をとったほうがよいのではないだろうか」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「会社の経営者というものは、やはり、会社としての経営の基本的な方針は全員に徹底させるが、あとはできるだけ各人の責任において自由にやってもらう、というやり方をとったほうがよいのではないだろうか」
出典
『PHP』昭和41年12月号
解説
この言葉は、経営の基本方針を共有しつつ現場の自主性を尊重する経営姿勢を示している。経営者が細部まで命令・統制するのではなく、大きな方向性を明確に伝えたうえで、実行段階は社員各人の判断と責任に委ねることが、組織の活力を引き出すという考え方である。
松下幸之助がこのように述べた背景には、日本企業にありがちな過度のトップダウン体質や指示待ち体質への危惧がある。基本方針が共有されていれば、各人の自由な工夫や責任ある行動が全体をより強くし、「自主経営」的な精神が組織を支えることになるというのが彼の信念であった。
現代においても、この考えはアジャイル経営や自律分散型組織の思想に通じる。リモートワークやグローバルなチーム編成が一般化した今、トップがすべてを管理することは不可能であり、社員一人ひとりが自律的に判断・行動する必要がある。つまり、方針の共有と現場の自由度の両立こそが、変化の激しい時代に対応する組織経営の鍵なのである。
感想はコメント欄へ
この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?
「松下幸之助」の前後の名言へ
申し込む
0 Comments
最も古い