「なぜ三日もかかったかといいますと、その字の太さ、字と字の間隔、また周囲から見て、字はどういうような感覚になるかということを考えぬいたからです。寝間に入っても、その書いたものを新聞の上において眺めてみることもしました」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「なぜ三日もかかったかといいますと、その字の太さ、字と字の間隔、また周囲から見て、字はどういうような感覚になるかということを考えぬいたからです。寝間に入っても、その書いたものを新聞の上において眺めてみることもしました」
出典
松下幸之助発言集 第24巻
解説
この言葉は、細部に徹底してこだわる姿勢が成果を左右するという教えである。単に文字を書く作業でも、太さや間隔、全体の印象に至るまで考え抜くことで完成度が高まる。松下幸之助は、寝間に持ち込んでまで眺め直した体験を語り、仕事における執念深い工夫の重要性を示している。
背景には、松下が製品づくりや広告のデザインなど、あらゆる経営活動において「細部は全体を決める」という信念を持っていたことがある。たとえ些細に見える要素でも、顧客に与える印象や商品の価値を左右すると理解していた。小さな妥協を許さない態度が、やがて企業全体の信頼へとつながったのである。
現代においても、この教えは大きな意義を持つ。デザインや文章、プレゼンテーションなどの場面で、フォントやレイアウトの細やかな調整が受け手の印象を決める。テクノロジーやサービスにおいても、細部へのこだわりが顧客満足を高める。つまり、小さな要素を徹底的に吟味する姿勢が、本物の品質と信頼を生み出す原動力なのである。
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