「不平を訴えることもある場合には必要である。けれども、なにげなしに不平を言うのであったらいけない。それは心弱き者の姿である。大丈夫の精神、信念をもっている人間は少々困難やからというて悲鳴をあげたりはしない」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「不平を訴えることもある場合には必要である。けれども、なにげなしに不平を言うのであったらいけない。それは心弱き者の姿である。大丈夫の精神、信念をもっている人間は少々困難やからというて悲鳴をあげたりはしない」
出典
松下幸之助発言集 第32巻
解説
この言葉は、不平や不満をむやみに口にするのではなく、必要な場面で建設的に訴えるべきだという教えである。人間である以上、理不尽や困難に直面すれば不満を抱くのは自然なことである。しかし、それを何げなく口にすれば、心の弱さを露呈し、周囲の信頼を損なうことになる。松下幸之助は、不平の表明は慎重であるべきだと諭している。
背景には、彼が経営者として数多くの困難に直面した経験がある。戦争や経済不況といった大きな逆境においても、不平を嘆くのではなく、信念をもって乗り越える強さが必要であると身をもって感じていた。不平を言うだけでは状況は変わらず、むしろ心身を疲弊させる。信念をもった冷静な姿勢こそが問題解決につながると考えていたのである。
現代社会でも、この教えは有効である。職場や社会で不平不満をただ吐き出すだけでは組織を停滞させる。一方で、必要な不平を的確に伝え、改善へとつなげる行動は価値がある。つまり、不平をただの愚痴で終わらせず、信念をもって前向きに行動することが、人を強くし、社会を健全にするのである。
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