「金をルーズにすれば、何もかもがルーズになるものです。ですから健全にやっている会社なり商店は、日ごろから金というものには比較的敏感で、集金についても支払いについても実によく気をくばっておられるように思います」

松下幸之助(画像はイメージです)
松下幸之助(画像はイメージです)
  • 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
  • 日本出身
  • 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」

原文

「金をルーズにすれば、何もかもがルーズになるものです。ですから健全にやっている会社なり商店は、日ごろから金というものには比較的敏感で、集金についても支払いについても実によく気をくばっておられるように思います」

出典

商売心得帖

解説

この言葉は、金銭管理の重要性を説くものである。お金の扱いがいい加減になると、自然と他の部分にもだらしなさが波及し、組織全体の規律や信用までもが損なわれていくという警鐘を鳴らしている。金銭は会社経営における最もシビアな管理対象であり、その扱い方には人や組織の姿勢が如実に表れる。

松下幸之助は、「お金にきちんとしている会社は、他のことにもきちんとしている」と見ていた。売掛金の回収、仕入先への支払いなど、日常の細かい金銭のやりとりに敏感かつ誠実であることが、結果として取引先との信頼を築き、組織全体の運営にも良い影響をもたらす。

現代でもこれは同じであり、たとえば支払いがいつも遅れる企業は、いずれ取引先からの信用を失い、資金繰りに困窮する。また、社員の経費精算や小口現金の処理がルーズな企業では、不正やミスが起きやすくなる。一方で、「お金に厳しい会社」は、結果として時間・情報・品質にも厳しくなり、総合的に優れた経営ができるようになる。金銭管理は単なる数字の処理ではなく、組織の風土そのものを表す鏡なのである。

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