「五千円の授業料をのせてんか。わしが最前から貴重な時間を二十分もさいて、君と話してるのや。五千円払うても価値のあることや。まあきょうは負けとくわ」

- 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
- 日本出身
- 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」
原文
「五千円の授業料をのせてんか。わしが最前から貴重な時間を二十分もさいて、君と話してるのや。五千円払うても価値のあることや。まあきょうは負けとくわ」
出典
仕事の夢 暮しの夢
解説
この言葉は、松下幸之助が侵入社員に向けて冗談交じりに語ったとされるエピソードの一節である。自身の話や助言にそれだけの価値があるということを、軽妙な口調で伝えている。単なる金銭の話ではなく、自分の時間や経験の重みを自覚し、それを共有することが相手にとってどれほど貴重かをユーモラスに示したものである。
松下は、経験を積んだ者が後進に知恵を授けることの大切さをよく理解していた。そしてそれは「タダで教えてもらえる」と思われるような軽いものではなく、真剣に耳を傾け、学ぶ姿勢を持つべきだという含意がこの言葉にはある。また同時に、こうした冗談を交えた語り口には、相手との心理的な距離を縮め、教える側と学ぶ側の緊張を解く巧みさも感じられる。
現代においても、この言葉はリーダーやベテラン社員の時間と知見がいかに価値あるものであるかを再認識させる。誰かの二十分には、数十年分の経験や試行錯誤が凝縮されていることがある。その貴重さを尊重し、素直に感謝と学びの姿勢を持つことが、真の成長へとつながる。この名言は、学ぶ者にも教える者にも、その心構えを改めて問うものである。
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