「不況とか混迷というものは、われわれ自身お互いがつくり出したものである。政府当局も一緒になってお互いにつくり出したものである。だから、これは必ずわれわれの精神転換、考え方の転換によって直すことは可能である」

松下幸之助(画像はイメージです)
松下幸之助(画像はイメージです)
  • 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
  • 日本出身
  • 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」

原文

「不況とか混迷というものは、われわれ自身お互いがつくり出したものである。政府当局も一緒になってお互いにつくり出したものである。だから、これは必ずわれわれの精神転換、考え方の転換によって直すことは可能である」

出典

危機日本への私の訴え

解説

この言葉は、不況や社会の混乱を自然現象のような避けられない出来事としてではなく、人間自身がつくり出した結果であると捉えている。そして、それをつくり出したのが人間である以上、考え方を変えることで克服することができるという積極的な思想を示している。経済や社会の停滞を宿命とせず、人間の意志と精神の転換で改善できるという信念が込められている。

背景には、松下幸之助が「不況は人災である」と繰り返し述べた経営観がある。戦後の混乱期から高度経済成長期にかけて、景気の浮き沈みは避けられなかったが、彼はそれを不可抗力とせず、人間の知恵と協力によって克服可能と考えた。政府の政策や企業の経営者、そして消費者一人ひとりの姿勢が社会全体の方向を決めるという考えがこの言葉に表れている。

現代においても、この思想は意義を持つ。世界的な経済危機や社会不安は避けがたいように見えるが、それをどう受け止め、どう行動するかは人間の選択にかかっている。新しい発想や前向きな取り組みがあれば、不況や混迷も乗り越えられる。この名言は、状況を嘆くのではなく、人間の精神的転換によって未来を切り拓くべきだという普遍的な教えを示している。

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