「世間は道場である、人間錬成の道場である。私はそう思います。いろいろな状態がクモの巣を張ったごとくにありますから、それにみな尋ねていくことによって、自分の具体的な活動のかたちが求められてくると思うのです」

松下幸之助(画像はイメージです)
松下幸之助(画像はイメージです)
  • 1894年11月27日~1989年4月27日(94歳没)
  • 日本出身
  • 実業家、発明家、パナソニック(松下電器産業)創業者、「経営の神様」

原文

「世間は道場である、人間錬成の道場である。私はそう思います。いろいろな状態がクモの巣を張ったごとくにありますから、それにみな尋ねていくことによって、自分の具体的な活動のかたちが求められてくると思うのです」

出典

社員稼業

解説

この言葉は、世間そのものを修業の場として捉える思想を示している。人は社会の中でさまざまな困難や試練に直面するが、それらを避けるのではなく積極的に関わることで、自分の人間性が磨かれ、具体的な行動のあり方が見えてくる。世間は単なる生活の舞台ではなく、人間錬成のための道場であるという考え方である。

背景には、松下幸之助の人生経験がある。彼は幼少期から逆境に直面し、病弱で学歴も乏しかったが、商いの世界や社会の中で多くの経験を積み重ねた。その過程で世間の厳しさと同時に、人を鍛える力を実感したのである。彼にとって社会の出来事すべてが学びであり、それを受け止める心構えこそが成長の糧となった。

現代においても、この名言は意味を失っていない。急速に変化する社会環境において、困難や予測不能の状況は避けられない。しかし、それらを「修業の機会」として捉えることで、人は強く柔軟になり、よりよい行動を選び取ることができる。この名言は、社会の中で生きること自体を学びの道とし、成長につなげる姿勢の重要性を教えているのである。

感想はコメント欄へ

この名言に触れて、あなたの感想や名言に関する話などを是非コメント欄に書いてみませんか?

「松下幸之助」の前後の名言へ


申し込む
注目する
guest

0 Comments
最も古い
最も新しい 高評価
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る