「芸術家が結婚することは違法であるべきだ。もしどうしても結婚するなら、相手は彼自身よりも芸術、あるいは彼の芸術、あるいは彼の芸術家としての部分により強く関心を持つ人でなければならない。そのうえで週に三度、一緒にお茶を飲む程度にとどめるべきだ」

- 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、批評家、翻訳家
英文
“It ought to be illegal for an artist to marry. If the artist must marry let him find someone more interested in art, or his art, or the artist part of him, than in him. After which let them take tea together three times a week.”
日本語訳
「芸術家が結婚することは違法であるべきだ。もしどうしても結婚するなら、相手は彼自身よりも芸術、あるいは彼の芸術、あるいは彼の芸術家としての部分により強く関心を持つ人でなければならない。そのうえで週に三度、一緒にお茶を飲む程度にとどめるべきだ」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、芸術家にとって家庭生活と創作活動の両立がいかに困難であるかを皮肉と誇張を交えて述べたものである。パウンドは、芸術家が本当に集中すべきは配偶者や家庭ではなく、自らの芸術であると考えた。結婚生活は芸術の純粋な追求を妨げる可能性があるため、もし結婚するならば、相手が芸術そのものを支える存在であることが不可欠だと強調している。
背景には、パウンド自身の芸術観と人生経験がある。彼は徹底して芸術に身を捧げた人物であり、芸術家が社会的な常識や制度に縛られることを嫌った。この発言は、創作を中心に据えた極端な理想を反映しており、芸術家として生きることと個人的生活の葛藤を端的に表している。
現代においてこの言葉を読むと、家庭や人間関係と芸術活動をどう調和させるかという課題は今も残っていることがわかる。パウンドの提案は極端だが、芸術家にとって創作の時間と空間を守ることの重要性を強調する点で意義深い。つまり、この警句は「芸術を中心に生きるなら、私生活さえ芸術の従属的要素でなければならない」という厳しい覚悟を示しているのである。
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