「文学は真空の中に存在するものではない。作家は作家として、その能力に正比例した明確な社会的役割を持つ。これこそが彼らの主要な用途である」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“Literature does not exist in a vacuum. Writers as such have a definite social function exactly proportional to their ability as writers. This is their main use.”

日本語訳

「文学は真空の中に存在するものではない。作家は作家として、その能力に正比例した明確な社会的役割を持つ。これこそが彼らの主要な用途である」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、文学や作家の役割を社会的責任と機能の観点から捉えたものである。文学は孤立した存在ではなく、常に社会や歴史との関わりの中で生きており、作家の力はその社会的影響力に比例する。つまり、優れた表現力や洞察力を持つ者は、それに応じて大きな社会的責任を負うという考えである。

エズラ・パウンドは文学を純粋な芸術として追求しながらも、同時にそれを社会的変革の道具とみなしていた。20世紀初頭の混乱と戦争の時代にあって、彼は詩や批評を通じて文化や政治に発言し、しばしば論争を巻き起こした。この発言は、芸術家が単なる個人の感情表現者ではなく、社会に影響を与える存在であるというモダニズム的な信念を反映している。

現代においても、この言葉は普遍的な意味を持つ。文学は社会問題を映し出し、人々に問いを投げかけ、価値観を揺さぶる力を持つ。たとえば差別、戦争、環境といったテーマに挑む文学は、単なる芸術表現を超えて社会的役割を果たしている。パウンドの警句は、文学の価値は美的側面だけでなく、その社会的機能にこそあるという重要な視点を私たちに与えているのである。

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