「私が犯した最悪の過ちは、あの愚かで、郊外的偏見である反ユダヤ主義だった」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“The worst mistake I made was that stupid, suburban prejudice of anti-Semitism.”

日本語訳

「私が犯した最悪の過ちは、あの愚かで、郊外的偏見である反ユダヤ主義だった」

出典

出典不詳(編集中)

解説

この言葉は、エズラ・パウンドが自らの過去を振り返り、反ユダヤ主義的態度を最大の過ちとして認めた告白である。彼は生涯を通じて多くの挑発的な言動を行ったが、とりわけ戦時中にファシズムを支持し、反ユダヤ的発言を繰り返したことは大きな汚点となった。この発言は、そうした行為を偏見に基づいた愚かさとして後に批判的に捉え直したものといえる。

背景には、パウンドが第二次世界大戦後に反逆罪で起訴され、アメリカで収監され、精神病院に長期収容されるという苦難の経験がある。その過程で彼は自身の行動を省み、芸術家としての評価に深刻な影を落とした反ユダヤ主義を悔いた。ここで「suburban prejudice(郊外的偏見)」と呼んでいるのは、深い思想ではなく、狭量で無知な偏見として自らの過ちを位置づけている点に特徴がある。

現代において、この言葉は重要な意味を持つ。芸術的才能に恵まれた人物であっても、差別的偏見にとらわれれば取り返しのつかない過ちを犯すという警告である。同時に、過ちを公に認める姿勢は、偏見の克服と自己反省の必要性を示している。パウンドの告白は、芸術と倫理、個人の思想と社会的責任の関係を考える上で、今なお大きな示唆を与えているのである。

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