「そしてニューヨークは世界で最も美しい都市なのか?それにそう遠くはない。あの都市の夜のような夜は他にない…炎の四角形が次々と立ち上がり、天空を切り取ってゆく。ここに我らの詩がある。なぜなら我らは星々を引き下ろし、我らの意志に従わせたからだ」

- 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
- アメリカ合衆国出身
- 詩人、批評家、翻訳家
英文
“And New York is the most beautiful city in the world? It is not far from it. No urban night is like the night there… Squares after squares of flame, set up and cut into the aether. Here is our poetry, for we have pulled down the stars to our will.”
日本語訳
「そしてニューヨークは世界で最も美しい都市なのか?それにそう遠くはない。あの都市の夜のような夜は他にない…炎の四角形が次々と立ち上がり、天空を切り取ってゆく。ここに我らの詩がある。なぜなら我らは星々を引き下ろし、我らの意志に従わせたからだ」
出典
出典不詳(編集中)
解説
この言葉は、ニューヨークの夜景を近代文明の詩的象徴として讃える表現である。ビル群の光が「炎の四角形」として描かれ、夜空を切り裂く姿は、まるで人類が自然の星々を地上に引き寄せ、自らのものとしたかのように表現されている。ここには、人工の光を新たな詩とみなす近代的感性が表れている。
エズラ・パウンドはヨーロッパを拠点に活動した詩人だが、アメリカ出身としてニューヨークという新興都市の姿を文明の到達点の一つと見ていた。彼のモダニズム的な視点において、自然や伝統的な美に代わり、都市文明そのものが新しい芸術の題材となる可能性が示されている。電気の光に満ちた都市は、20世紀初頭の技術的進歩と人間の野心の象徴であった。
現代に応用すれば、この言葉は都市の景観を文化的・詩的価値として捉える視点を与える。自然の星空ではなく、摩天楼の灯りを「引き下ろされた星」とみなす発想は、人工環境に新しい美を見出すものであり、都市生活の象徴でもある。今日においてもニューヨークの夜景は圧倒的な魅力を放ち、パウンドの言葉が示すように、文明の光が生んだ新しい詩として読み継がれているのである。
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