「文明人とは、真剣な問いに対して真剣な答えを与える者である。文明そのものは、健全な価値の均衡である」

エズラ・パウンド(画像はイメージです)
  • 1885年10月30日~1972年11月1日(87歳没)
  • アメリカ合衆国出身
  • 詩人、批評家、翻訳家

英文

“A civilized man is one who will give a serious answer to a serious question. Civilization itself is a certain sane balance of values.”

日本語訳

「文明人とは、真剣な問いに対して真剣な答えを与える者である。文明そのものは、健全な価値の均衡である」

解説

この言葉は、文明人の本質を誠実さと価値の調和に求めている。文明人とは知識の量や社会的地位で決まるのではなく、他者からの真剣な問いに対し、軽んじず誠実に応答できる姿勢を持つ者であるとされる。そして文明そのものもまた、極端な偏りではなく、複数の価値が理性的に均衡している状態として定義されている。

エズラ・パウンドは芸術や文化において、偏狭な権威主義や大衆迎合を嫌い、健全な判断力と誠実な対話を重視した。この発言は、20世紀前半の戦争や独裁的体制の台頭といった文明の危機を背景にしており、理性を失った社会がいかに容易に「非文明」に転落するかという懸念を映している。

現代においても、この言葉は有効である。社会や国際関係、あるいは個人間においても、真剣な問いに対して誠実に応答する姿勢は信頼の基盤である。また文明社会を維持するには、経済的利益、文化的価値、人権や環境といった多様な価値を極端に偏らせず、理性的に調和させる努力が不可欠である。パウンドのこの警句は、文明の核心に「誠実さと均衡」を置くべきだと示しているのである。

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